糖尿病(+予備軍)2000万人と酸化ストレスの関係と対策

厚生労働省の2019年調査によると、20歳以上の日本人の約2251万人が糖尿病リスクを抱えています。特に2型糖尿病が95%以上を占め、食生活や運動不足が主な原因と考えられています。70歳以上の男性では4人に1人が糖尿病リスクが高いという深刻な状況です。糖尿病は放置すると様々な合併症を引き起こすため、早期発見と適切な治療が重要です。

厚労省データ

糖尿病と酸化ストレスの関係

糖尿病と酸化ストレスは、密接な関係があるとされています。

酸化ストレスとは？

私たちの体は、生命活動を行う上で酸素を利用しています。この酸素の一部は、代謝過程で活性酸素と呼ばれる物質に変化します。活性酸素は、ある種の化学反応を促進する働きを持つ一方で、細胞を傷つけたり、老化を促進したりするなど、有害な影響を与える可能性があります。この活性酸素による細胞へのダメージを「酸化ストレス」と言います。

糖尿病と酸化ストレスの関係性

糖尿病患者では、健康な人に比べて体内に活性酸素が多く、酸化ストレスが強い状態にあることが知られています。この酸化ストレスが、糖尿病の様々な合併症を引き起こす一因と考えられています。

糖尿病と酸化ストレスの関係が深い理由として、以下の点が挙げられます。

• 高血糖: 糖尿病では血糖値が高くなるため、糖化という反応が活発になります。糖化は、タンパク質や脂質と糖が結びつく反応で、この過程で有害な物質が生成され、酸化ストレスが増加します。

• インスリン抵抗性: インスリン抵抗性とは、インスリンという血糖値を下げるホルモンが効きにくくなる状態です。インスリン抵抗性になると、血糖値がなかなか下がらず、高血糖状態が長期間続くため、酸化ストレスが増強されます。

• 炎症反応: 糖尿病では、慢性的な炎症反応が起こりやすいことが知られています。炎症反応は、活性酸素の生成を促し、酸化ストレスを増強させます。

酸化ストレスが引き起こす糖尿病の合併症

酸化ストレスは、糖尿病の様々な合併症に関与しています。

• 動脈硬化: 動脈壁が硬くなり、弾力性を失う病気です。心筋梗塞や脳卒中を引き起こす原因となります。

• 神経障害: 末梢神経が障害され、感覚異常や痛み、麻痺などが起こります。

• 網膜症: 眼の網膜に異常が起こり、視力障害や失明につながる可能性があります。

• 腎症: 腎臓の機能が低下し、慢性腎不全や尿毒症を引き起こす可能性があります。

酸化ストレスを抑制する対策

糖尿病患者は、酸化ストレスを抑制することで、合併症の発症リスクを下げることができます。

• 血糖コントロール: 血糖値を安定させることが、酸化ストレスを抑制する上で最も重要です。

• 食事療法: 糖質の摂取量を控え、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。

• 運動療法: 定期的な運動は、インスリン抵抗性を改善し、酸化ストレスを抑制する効果が期待できます。

• 抗酸化物質の摂取: ビタミンCやEなどの抗酸化物質を多く含む食品を積極的に摂ることも有効です。

注意:

• 上記は一般的な情報であり、個々の患者さんの状態によって、適切な治療法は異なります。

• 糖尿病の治療については、必ず医師や医療従事者の指示に従ってください。

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