静的ストレッチはジャンプ能力を低下させる

静的ストレッチはジャンプ能力を低下させる

1. 静的ストレッチングでパフォーマンスが下がる?

研究では、健常な学生20名を対象に、じっくり筋肉を伸ばす「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」がジャンプ力にどう影響するかを調べています。

結果、ストレッチをした直後は以下の項目が低下しました。

  • 垂直跳び・立ち幅跳びの記録

  • ゆっくりとした動きでの筋力

  • 伸張反射(しんちょうはんしゃ)のスピード

つまり、運動の直前にじっくり伸ばしすぎると、かえって高く・遠くへ跳べなくなることが科学的に示されたのです。

2. なぜパフォーマンスが落ちるのか?

論文では、その原因を「脳と神経のメカニズム」から分析しています。

① 反応が遅れる(伸張反射の遅延)

筋肉が急激に引き伸ばされたとき、反射的に縮もうとする力を「伸張反射」と呼びます。ジャンプはこの反射を利用してパワーを出しますが、ストレッチによって「筋紡錘(きんぼうすい)」というセンサーの感度が鈍り、筋肉が動き出すタイミングが遅れてしまうのです。

② 筋肉が緩みすぎて力が入らない

ストレッチによって「ゴルジ腱器官」という部分が働き、脳が「これ以上伸ばすと危ないから筋肉を緩めろ」という命令(抑制メカニズム)を出します。その結果、筋肉の緊張が解けすぎてしまい、瞬発的な力を出しにくくなります。

3. 運動前はどうすればいい?

この結果は「ストレッチが悪い」ということではなく、**「タイミングと種類」**が重要であることを教えてくれています。

  • 運動前: じっと伸ばす静的ストレッチではなく、体を動かしながら筋肉を温める**「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」**が推奨されます(例:ラジオ体操やブラジル体操など)。

  • 運動後や風呂上がり: 筋肉の緊張を解き、血流を良くしてリラックスさせるために、この研究で行われたような**「静的ストレッチ」**が非常に効果的です。

 健康維持への視点

筋肉の柔軟性を保つことは怪我の予防に不可欠ですが、爆発的なパワーが必要な場面では、筋肉にある程度の「張り(緊張)」を残しておく必要があります。

細胞レベルで見ると、筋肉の収縮にはATPやカルシウムイオンが欠かせません。以前お話ししたように、酸化ストレスによって細胞膜の機能が低下していると、こうした神経伝達や筋収縮のスイッチ自体が鈍くなる可能性があります。

日頃から次世代ミネラルウォーターe01サイクルイオンを活用して体内環境を整え、適切なタイミングでストレッチを組み合わせることが、最高のパフォーマンスを引き出す秘訣といえます。

出典

静的ストレッチングがジャンプ能力に及ぼす効果

―生理学面ならびに機能面からの検討―

〔目的〕本研究の目的は,静的ストレッチングがジャンプ能力に及ぼす効果について,生理学面ならびに機能面の2つの側面から検討することである。〔対象〕対象は,健常学生20名であった。
〔方法〕静的ストレッチング前後で,生理学面として伸張反射の潜時,機能面として等運動性筋力(60 deg/secと240 deg/sec),ジャンプ能力として垂直跳び,立ち幅跳びを計測した。
〔結果〕各項目を静的ストレッチング前後で比較したところ,ストレッチング後に伸張反射発現までの潜時,60 deg/secの筋力,垂直跳び,立ち幅跳びは有意に低下していた。
〔結語〕静的ストレッチングを行った後にジャンプ能力が低下した。
その原因として,筋紡錘の感受性低下ならびにゴルジ腱器官の関与による,筋緊張の調節にかかわる中枢神経系の筋緊張抑制メカニズムに基づく筋緊張低下に伴う筋力低下に加えて,伸張反射発現までの時間の延長によって筋収縮にタイミングの遅れが生じたことが示唆された。

出典:

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/23/3/23_3_463/_article/-char/ja/

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