運動直後のプロテイン摂取が有効とされる3つの理由、必要量は?

運動直後のプロテイン摂取が有効とされる3つの理由、必要量は?

運動直後のプロテイン摂取が有効とされる理由は、主に以下の3点に集約されます。

  1. 筋肉の修復・成長促進(超回復のサポート):

    • 運動、特に筋力トレーニングを行うと、筋肉の繊維には微細な損傷が生じます。この損傷を修復し、さらに強く太くする過程が「超回復」です。

    • プロテイン(タンパク質)は、この筋肉の修復・成長に必要なアミノ酸の供給源となります。運動直後は、筋肉がアミノ酸を効率的に取り込みやすい状態にあるため、このタイミングでプロテインを摂取することで、超回復をスムーズに進め、筋肉の合成を最大限に促すことができます。

  2. 筋分解の抑制:

    • 運動後は、エネルギーが枯渇し、体は筋肉を分解してエネルギーを得ようとする「カタボリック状態」になりやすいです。

    • プロテインを摂取することで、血中のアミノ酸濃度が高まり、筋肉の分解を抑制し、筋肉量の維持・増加に貢献します。

  3. 栄養素の吸収率の向上(ゴールデンタイム):

    • 運動後の体は、大量のエネルギーや栄養素を消費した「飢餓状態」に近い状態になります。この時、栄養素の吸収率が高まっていると考えられています。

    • 特に、運動後30分~45分以内は「筋合成のゴールデンタイム」と呼ばれ、この時間帯にプロテイン(特に吸収の早いホエイプロテイン)を摂取することで、効率的にアミノ酸を筋肉へ届け、筋肉の合成を促す効果が期待できます。

ただし、最近の研究では、この「ゴールデンタイム」の重要性は以前ほど絶対的ではないという見解も出てきています。それよりも、1日の総タンパク質摂取量が筋肥大においてより重要であるという報告もあります。

しかし、運動直後のプロテイン摂取が、手軽に効率よく筋肉の材料を補給できるメリットは依然として大きいと考えられています。特に、食事がすぐに摂れない場合や、より効率的に筋肉をつけたい場合には有効な手段と言えるでしょう。


では、筋トレやテニスのような激しいスポーツの直後は、どれぐらいのプロテインを摂ればいいのでしょうか。

筋トレやテニスのような全身運動で、かつ持久力と瞬発力の両方が求められるスポーツの場合、摂取量は、体重と運動強度によって変わってきます。

一般的な目安としては、以下のようになります。

  • 体重1kgあたり0.25g~0.4g を目標とする。

    • 例えば、体重60kgの人であれば、15g~24g程度のプロテインが目安になります。

  • 一回の摂取量として20g~30g が推奨されることが多いです。

市販のプロテインに付属のスプーンは10gのものが多いと思います。
それであればスプーン2杯ということですね。

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テニスは、短時間で高い負荷がかかる場面(ダッシュやスマッシュなど)と、長時間持続的に動き続ける場面(ラリーなど)が混在します。そのため、筋肉の損傷とエネルギーの枯渇が同時に起こりやすい運動と言えます。

テニスの運動直後にプロテインを摂る際のポイント:

  • 素早い吸収が可能なホエイプロテイン: 運動直後の「ゴールデンタイム」を最大限に活用するためには、吸収の早いホエイプロテインが適しています。

  • 炭水化物との同時摂取: 筋肉の回復を促し、エネルギー補給も兼ねるために、プロテインと一緒に炭水化物(バナナ、おにぎり、スポーツドリンクなど)を摂取するのがおすすめです。炭水化物を摂ることでインスリンが分泌され、アミノ酸の筋肉への取り込みが促進されます。

  • 「ゴールデンタイム」を意識: 運動後30分~45分以内が特に効果的とされていますが、多少時間がずれても無意味ではありません。できるだけ早く摂取することを心がけましょう。

  • 1日の総摂取量も重要: 運動直後の摂取はもちろん重要ですが、それだけでなく、1日を通して十分なタンパク質を摂取することが、テニスパフォーマンス向上や筋肉維持には欠かせません。テニスのような高強度の運動を行うアスリートの場合、体重1kgあたり1.6g~2.0g程度のタンパク質を1日に摂取することが推奨されています。運動直後のプロテイン摂取は、その一部を補うものと考えると良いでしょう。

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