ミトコンドリア、ラジカル、活性酸素

ラジカルとは

ラジカル (radical) は、不対電子をもつ原子や分子、あるいはイオンのことで、フリーラジカルまたは遊離基（ゆうりき）とも呼ばれます。

活性酸素もラジカルの一種です。

構造式では R-O-O・
または
R-O・
の形になります。

d-ROMsテスト

ラジカルが試薬を酸化することでラジカルの量を測定します。
この数値が大きいほどラジカルが多く、酸化されやすい状態にあるということになります

BAPテスト
試薬を還元させることで還元力=抗酸化力を調べます。
この数値が大きいほど抗酸化力が強いことになります。

「活性酸素についての基礎知識」

・体外から呼吸をした酸素のうち最低2%は活性酸素になる。

・ミトコンドリア内でエネルギーを発生する際には酸素が必要となり、この時に必ず一定の比率において活性酸素が発生する。

抗酸化物質というのは、活性酸素が周囲を酸化させてしまうのを防ぐ（抗酸化）働きを持っている。

活性酸素

活性酸素（かっせいさんそ、英: Reactive Oxygen Species、ROS）は、大気中に含まれる酸素分子がより反応性の高い化合物に変化したものの総称である

活性酸素は1 日に細胞あたり約10 億個発生し、これに対して生体の活性酸素消去能力(抗酸化機能)が働く。
活性酸素は一日数万から数10 万個の細胞内のDNAを損傷するが、すぐに修復される。

ミトコンドリアの内部の活性酸素

老化や疾患などにより活性酸素種の過剰発生や抗酸化能が低下すると、レドックスバランスが崩れ、酸化ストレスが引き起こされます。

またミトコンドリア DNAは修復機能が弱いことか ら活性酸素種に脆弱と考えられており傷害を受けやすく遺伝子変異も蓄積しやすいことが報告されています。

そのためミトコンドリアDNA の傷害は、呼吸鎖複合体の分子構築の異常、ひいては電子伝達効率の低下と活性酸素種発生量の増加を引き起こすと考えられています。

活性酸素種は赤、抗酸化酵素は緑、 NADH やFADH2からの電子の流れは青で示す。

SOD：スーパーオキシドジスムターゼ、

Trxox：酸化型チオレドキシン、 Trxred：還元型チオレドキシン、 Prx：ペルオキシレドキシン、TR：チオレドキシンリダクターゼ、 GPx：グルタチオンペルオキシダーゼ、 GSH：還元型グルタチオン、 GSSG：酸化型グルタチオン、 GR：グルタチオンリダクターゼ、 O2•-：スーパーオキシド、H2O2：過酸化水素、

•OH：ヒドロキシラジカル。

「神経変性疾患におけるミトコンドリア異常と凝集体形成」松本紋子、 臨床病理 64(10) 2016より改変

出典: 東邦大学

https://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/0790.html

ミトコンドリア

ミトコンドリア（mitochondrion、複数形: mitochondria）は真核生物の細胞小器官であり、糸粒体（しりゅうたい）とも呼ばれる。

二重の生体膜からなり、独自のDNA（ミトコンドリアDNA＝mtDNA）を持ち、分裂、増殖する。mtDNAはATP合成以外の生命現象にも関与する。

酸素呼吸（好気呼吸）の場として知られている。

また、細胞のアポトーシスにおいても重要な役割を担っている。

mtDNAとその遺伝子産物は一部が細胞表面にも局在し突然変異は自然免疫系が特異的に排除[1] する。

ヒトにおいては、肝臓、腎臓、筋肉、脳などの代謝の活発な細胞に数百、数千個のミトコンドリアが存在し、細胞質の約40%を占めている。

平均では1細胞中に300-400個のミトコンドリアが存在し、全身で体重の10%を占めている[2]。

ミトコンドリア

ミトコンドリアの主要な機能は電子伝達系による酸化的リン酸化によるATPの産生（ADPのリン酸化）である。

細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーのほとんどは、直接、あるいは間接的にミトコンドリアからATPの形で供給される。

引用 https://tekibo.net/biology-11/

細胞質での解糖系とミトコンドリアでのピルビン酸の脱炭酸とクエン酸回路。

H2O、O2、CO2、NH3に限ってミトコンドリア内膜を通過することができる。

典型的な動物の細胞の模式図

9がミトコンドリア
(1) 核小体（仁）、(2) 細胞核、(3) リボソーム、(4) 小胞、(5) 粗面小胞体、(6) ゴルジ体、(7) 微小管、(8) 滑面小胞体、(9) ミトコンドリア、(10) 液胞、(11) 細胞質基質、(12) リソソーム、(13) 中心体

Wikipediaより引用

参考ブログ

ガンの特効薬はミトコンドリア賦活剤